ネガティブをポジティブに

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 転職をする時に、応募先の面接の際に必ずと言っていいほど聞かれるのが理由である。ただ、事実や本音を伝えれば良いというものでもなく、面接する企業が納得してくれるものを考えることが必要だ。企業が転職の理由を質問するのは、面接に来ている人がその企業の社風に合っているか、企業で活躍していく人材なのかを見極めるためである。今までの仕事の経験やスキルは履歴書などで確認することができるが、働く意欲や仕事に対する考え方は実際に訊ねてみないとわからないことが多いためだ。

 そのため、面接の際には「なぜ前職を退職したのか」「応募先の企業で何をしたいのか」という目的を明確に伝えることが大切である。その際に、前職を退職したきっかけを2割程度、就職してから実現したいことを8割程度で構成すると自分の考え方が面接で伝わりやすい。退職したきっかけは「残業が多くて辛かった」「ノルマがきつかった」などのネガティブなものでもかまわない。そのネガティブなきっかけを前向きな言葉に言い換えてみる。

 残業に関しては「効率的な仕事で成果を出す」、ノルマに関しては「顧客としっかり向き合いたい」という退職のきっかけとなったことの裏側にある「本当は実現したいこと」に言い換える。そして、その実現したいことを面接先の企業でどうやって実現していきたいのかを考えてみよう。前職を退職したきっかけと、応募先の企業で実現したいことが明確になり、それが転職の理由となる。